ただ鍛造というだけでなく、鍛造技術にまでこだわった。
RZFは冷間裂開の正しき血統を誇る。
プレスされた円盤状のアルミを横から裂き、開くようにリムを形成することから名付けられた裂開鍛造。軽量化を図りながらリムをいかに強く形成するかという難題に、見事に回答するのがこの技術である。リムをスピニングで延ばす製法に対し、裂開鍛造は裂いて開いた部分を折り延ばす。この「折り延ばし」の工程はスピニングよりも一層強い力を必要とする。このため、リム部分の成分密度がさらに緊密になり、結果としてスピニングだけで延ばすよりも剛性が増すことになる。これは裂開鍛造を語る上で特筆すべきメリットの一つである。加えて熱にも細心の注意を払う。アルミを加工するには熱が必要になるが、必要以上に熱くなると柔らかくなり過ぎ、加工後に変形してしまう恐れがある。裂開時にも熱は必要になるのだが、必要最低限の低温を保つことで加工後の変形を防ぐ「冷間裂開」でRZFは作られている。

鍛え上げられた筋肉の繊維を見るように、
RZFの鍛流線もまた美しく、しなやかに、逞しく。
スピニングとは陶芸に見られるろくろを使う工程に似ている。回転させながらリムの型に合わせてゆっくりアルミを延ばし、成形してゆく作業である。押しつけながら形づくるので、その圧力でより剛性が高まるのだが、裂開鍛造においてはさらに特筆すべき現象が起こる。スピニングの時、ミクロの世界では内部にきれいな線が延びていく。この線は鍛流線と呼ばれるが、8,000tプレスと裂開を経たアルミの金属組織は極めて線状かつ緊密であることから、この鍛流線がより美しく、より延びやかになり、リムの剛性がより引き出される結果となる。そしてこの工程を経て、ようやくホイールとしてのフォルムが見え始めるのだが、RZFの鍛錬はさらに続く。

